収用手続の流れ

裁決

 審理が終わると、収用委員会は、当事者から主張された意見をもとに調査・検討を行い、裁決をします。裁決は、裁決書という文書により行われます。


権利取得裁決(裁決申請に対する応答)

 裁決書に書かれる事項は、収用する土地の区域、土地に関する損失の補償、権利取得の時期です。
 権利取得裁決があると、起業者は、権利取得の時期までに補償金を支払い、土地の所有権を取得します。



明渡裁決(明渡裁決の申立てに対する応答)

 裁決書に書かれる事項は、明け渡すべき土地の区域、明渡しに関する損失の補償、明渡しの時期です。
 明渡裁決があると、起業者は、明渡しの期限までに補償金を支払います。権利者は、土地にある建物などの物件を移転して、期限までに土地を起業者へ明け渡さなければなりません。

 ※権利取得裁決及び明渡裁決の両方があってはじめて、収用手続が完了します。




却下裁決

 裁決の申請が土地収用法の規定に違反するとき、申請が却下されることがあります。

 《土地収用法47条~47条の2、48条~49条、66条》



【ちょっと解説】 不明裁決

 誰が権利者かわからなかったり、権利の内容が確定できない場合などは、これらを不明として裁決がされます(不明裁決)。この場合、補償金は、供託されます。


【ちょっと解説】 道路法その他の裁決に基づく裁決申請

 宅地と道路の間に高低差ができ、住宅への出入りが難しくなった場合、道路管理者と損失補償についての協議が整わないときには、道路法に基づき、収用委員会に対して裁決の申請ができます。
 都市再開発法、土地区画整理法などにも同趣旨の規定があります。それぞれの法律を参照ください。
 《道路法69条など》


【ちょっと解説】 裁決に不服がある場合

 収用委員会の裁決に不服がある場合には、次の区分にしたがって、訴訟や不服申し立てができます。
 詳細は、こちら